FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年4月16日放送

今回のお客様は、南伊勢町泉地区にある『御衣黄桜保存会』代表の小田茂文さん。
平成22年にこの保存会ができました。
泉地区の御衣黄桜は、『御衣黄桜保存会』のみなさんが大切に育てられたもの。先日はメンバーのみなさんが集まってお花見もされたようです。
静かな山里に本格的な春がやってきました。

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衣黄桜を60年前に泉地区に持ち込んだのは、南伊勢町の岡さん

泉地区はみかんと米とあおさ、かつては真珠養殖も10軒ほどありました。
私は米とみかんを、今も作っています。

60年前に岡さんという人が、御衣黄桜の苗木を3本持ってきたそうで、川辺の離れた場所に1本ずつ、そして自宅の庭に1本植えました。
が、残ったのはここにある1本だけ。
その後、西井さんという人が接ぎ木をし、それが川向うに1本とこちらに1本。
そして平成16〜17年頃に、町の緑化事業で20万円の補助金が出たため、御衣黄桜を植えることになりました。
雑木林だった場所を払って、苗木を50本植えましたが、1年で鹿とウサギにほとんど食べられるという食害に遭いました。
その後、私が畑に仮植していた苗が大きくなってきたので植え替えをしようと、みんなに声をかけたところ、ボランティアで20人近く手伝ってくれ、保存会を作ろうということになりました。
メンバーは現在17人で、平均年齢は70歳くらい。
泉地区の薬師堂の近くの山で、作業道を作ったり、桜の木の管理をしています。

 

地区は自然が豊か!

いろいろな人に来てほしい気持ちもあるのですが、集落内の道が狭いため、住民のみなさんに迷惑がかかっても悪いな、という気持ちもあり。
道の広さを考えるとウォーキングをしがてら来てもらうと良いかもしれません。

国道の下にも途中の川にも鯉がいます。
しかし鵜が来て小さい鯉は食べてしまうので、大きな鯉ばかりです。
自然発生していたわけではなく、飼っている人が放したのが大きくなったんです。
カワセミやシラサギ、ゴイサギも年中いるので、バードウォッチングもできると思います。
この奥にはリスもいますし、アカショウビンの鳴き声を聞いたこともあります。
アカショウビンとはカワセミが大きくなった感じの鳥。
この道をまっすぐ行き、切原というところを曲がると内宮さんへ繋がるのですが、そのあたりで聞こえます。
ここ薬師堂の奥へ行けば行くほど、秘境の地となっているわけです。

ホタルもいます。
そして5月のはじめには、野生の藤がたくさん咲きます。
泉地区は、本当に自然が豊かな地域なんです。

 

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衣黄桜は鳥獣対策が大変

私たちが植え、苦労しながら手入れした御衣黄桜は大きいものは3mくらいになりました。
川辺のを入れると60本くらいはあると思います。
まだ山は小さいですが、あと10年もすれば良いお花見スポットになるでしょう。
手入れとしては草刈りや施肥。
やはり草はすぐに伸びるので、夏に2〜3回は草刈りをします。
最近では猿もちょこちょこ集団で来るようになり、網を登るんです。
すると支柱がずれて、鹿が入るようになるので、たまに見回らないと。
鹿が増えているので、網をかけるくらいしないとずいぶんやられてしまいます。
新芽も食べるし皮も食べます。
鹿は桜の木が大好きなようですね。
ソメイヨシノでも、何でも食べるそうです。
メッシュと網を使って、山を囲ってからは鳥獣被害も減り、御衣黄桜も少しずつ大きくなっています。

 

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緑、黄色、ピンクと色が変化する御衣黄桜

最初は薄緑、それから黄色になり、そのあとピンク色に変化します。
1週間から10日くらいかかるので楽しめると思います。
泉地区の人々も御衣黄桜で会話が弾みます。
薬師堂にブルーシート敷いて、盛り合わせのお寿司を食べて、ちょっとお酒も飲んで・・・こうして毎年、お花見を楽しみんでいます。
最近では花の時期になると、よその地域からもお客さんが来るようになりました。
国道からちょっと上がったところにはソメイヨシノが川沿いに植えてあり、それが咲き終わった後に、御衣黄桜が咲き始めるのです。

花の期間が長いので、どの色かは見られると思います。
薄緑か、黄色か、ピンクか・・・楽しみですね。